物忘れ、認知症とは

物忘れ・認知症のイメージ画像

記憶力や物事を順序だてて行う能力の低下により、これまで出来ていたことが出来なくなる状態です。病気の進行度に応じて、具体的には「場所や時間がわからなくなる」「お金の管理が出来なくなる」、「献立を考えて調理できなくなる」、「旅行の計画が立てられない」など日常生活が上手く行えなくなってきます。また「幻覚が見える」「やる気がなくなる」といった症状から始まることもあります。

物忘れや認知症の原因は多岐にわたり、ストレスやホルモンバランスの乱れなどが関与するもの、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など脳神経細胞数の減少によるものや、脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血等)のように脳神経細胞が破壊されてなるもの、正常圧水頭症のように頭の中に水がたまることによって引き起こされるものがあります。これらの原因は単独で発症することもあれば、併発することもあります。軽い物忘れ程度の物であれば、認知症への移行を予防することが大切で、原因を評価し生活習慣の見直しや必要に応じて薬物療法を行うこととなります。また認知症に伴う周辺症状(せん妄・妄想・興奮・抑うつ・徘徊など)に対しても対処方法がありますので、日本認知症学会専門医・指導医として活動する院長が在籍する当院までご相談ください。

認知症に対して当院でできること

  1. 認知症問診票、物忘れテスト(高次機能検査)を記載していただきます
  2. 脳MRIにより脳疾患の有無と脳委縮程度を評価します
  3. 内科的疾患の有無を評価するため血液検査を行います
  4. 後日の再診時に追加検査が必要な場合は実施します

その後、対処方法は大きく3つの段階に分けられます。

  1. 生活習慣病の予防と治療
  2. 認知症の早期発見、早期治療
  3. 認知症の治療とケア

認知症で有名なアルツハイマー病の原因としてアミロイドβ蛋白の蓄積が知られていますが、生活習慣病がアミロイドβ蛋白の蓄積を促進し、神経細胞死と認知機能の障害につながることが示唆されています。そのため生活習慣病の予防と治療は認知症の予防だけでなく、進行を遅らせるためにも重要です。さらに認知症の進行を抑えるために薬物療法、リハビリテーション、ケアを行いながら高次機能評価などで定期的に経過を観察することが大切です。認知症は進行性の疾患であるため、「覚えられるうちに大切なものは常に同じ場所に置く」など、日常生活での習慣づけも必要です。

またPET検査などの追加検査やヒト化抗ヒト可溶性アミロイドβ凝集体モノクローナル抗体(レケンビ®)の治療が必要と考えられた場合は対応可能な病院をご紹介します。